2015/04/25

グザヴィエ・ドラン、という人。


グザヴィエ・ドラン最新作
本日公開





いつの日か、ここで少しドランについて話したい。
そんなことをしばらくの間思っていて、今ようやく。
ここもわりとインスパイアされていることだし。
タイトルは2作目の『胸騒ぎの恋人』から。
ヘッダーは4作目の『トム・アット・ザ・ファーム』冒頭シーンから。

さて。グザヴィエ・ドラン、という人について。
1989年生まれの映画監督だ、それはそれはもう優れたセンスと才能を持った。
………雑、だって?
そんな方は、こちらで基礎的なプロフィールをば。




ドラン監督最新作である『Mommy』を公開初日である本日、観にいってきた。
待った。
昨年のカンヌ国際映画祭にて、最年長・ゴダールと並んで審査員賞を受賞した本作。
それから1年だ。
待った。待ちに待ちに待ちに待った。
私が今年最も公開を楽しみにしていた映画のひとつである。(もうひとつは『バードマン』)
感想はTwitterにて簡単に。



グザヴィエ・ドラン、というと、若くて、才能があって、しかもイケメン。作品もなんだかやたらとオシャレ。
そんな書かれ方をすることがほとんどだろう。
それらは全て事実とはいえ、そこしか伝わらずに色眼鏡で見られていやしないかと勝手に感じている部分もある。
彼がこれまで5本の作品の中で描いてきたものは全て現実的で、それを語る為の強い意志やこだわりがあるのだ。
こだわり、というと毎回エンドクレジットで流れる【Xavier Dolan】の多さに思わず笑ってしまうんだけども。(監督、脚本、主演、編集、衣装、音楽etc…)

2010年代、最も信頼できる映画監督の1人であることは間違いない。

私が彼を好きな理由は当然他にもある。
1989年生まれ、という共通点だ。
それだけで親近感を抱いて勝手に同じ土俵でものを喋りそうになるのを私はやめるべきなんだろうけど、どうか大目に見てほしい。
彼は、自分が生まれた年をよくわかっている。置かれている状況を。立場を。
今年26歳、世間ではまだまだ若い。
実際に『Mommy』のパンフレットの中でも「日本で言えば平成元年生まれ。元祖ゆとり世代の申し子だ。」と書かれる始末である。なんだこれ。
彼のインタビューの中でも年齢の話をしていることは多く、彼が身を置く世界でも風当たりはまだ冷たいようだ。
既述したが、彼はそんな自分の立場をよくわかっている。その地に足がしっかりとついている。
そんな中で、この時代を生きる我々の世代が抱く感情を映画で描けるのは、当然、我々しかいないのだ。どんな巨匠にも描けない。
普遍的なものとはいえ、微妙なニュアンスが違うだろう。だから、私にはドランから生まれるものがスッと入ってきやすいのだろう。
彼がカンヌの受賞スピーチで語った同世代への言葉が、痛いほどにまっすぐと胸に突き刺さってきたのもそうである。
我々の世代の代弁者、というと重いだろうか。しかし、彼と、放たれるその影響力はこれからも信じていきたい。
そして、与えてくれたものを無駄にしないようにしなければね。



同じ時代に生まれ、生きていることを幸せに思う。

グザヴィエ・ドラン。





追記:今日、instagramにてドランが「いいね!」してくれた。
こういうの、素直に嬉しいタイプなので、最高のドラン日和となったよ。





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